作品解説
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延宝元年(1673)江戸本町1丁目、京都室町通薬師町で三井高利によって営業を開始した三井越後屋呉服店(現在の三越の前身)は、元禄元年(1687)大坂は高麗橋2丁目に江戸駿河町越後屋として出店、たちまち好評を博し、半町にも及ぶ広い店先は呉服をもとめる人々で賑った。店の向い側に糸店、紅白粉店、鼈甲店、塗道具店等支店を設け、嫁入りの誂えをすべて調えられるようにしたことや、薄利多売・現金掛値なしの商法は当時画期的で、人々の信用を得た。三井高利の父である三井越後守高俊は元々武士の生まれで、伊勢の松阪で武家を捨て酒屋を営み「越後殿の酒屋」として親しまれていた。
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