北摂アーカイブスの活動基盤である豊中市立図書館は、2015年(平成27年)創立70周年をむかえました。アニバーサリーイヤーの図書館では70周年にちなんだ行事もいろいろ催されていましたね。IMG_0741

こども室エントランスにはマチカネくんからのバースデーカードが飾られ、貸出室には豊中の図書館の歴史や、コンピュータ導入後の利用カードの変遷も展示されています。

そこで、今回は図書館の歴史を駆け足でたどりながら、当時の写真をご紹介したいと思います。

豊中町、麻田村、桜井谷村、熊野田村が合併して、「豊中市」が誕生したのは1936年(昭和11年)でした。

1945年(昭和20年)4月、人口約4万人の豊中市役所教育課の片隅に、890冊の図書と雑誌20冊の小さな図書館が開設されました。(市立図書館設置の府の認可を受けたのは3月22日)

府内でも、堺市と並んで大きな被害を受けた「豊中空襲」(同年6月7日~7月30日)が始まる、わずか数カ月前のことです。開設のいきさつは「資料集・豊中の図書館50年](1996年刊)に収録されている当時の関係者の座談会で詳しく語られていますが、終戦前の大混乱期に図書館を創ろうとした市は全国的にも他に例がありません。また、戦前からあった図書館は有料が原則であったことを考えても、当初から閲覧料が無料であったことは例外と言ってよいでしょう。「公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならない」と第17条で謳われる「図書館法」が施行されたのは、5年後の1950年(昭和25年)のことです。

本の材料となる紙の配給も統制だった時期に1,000冊足らずでスタートした図書館は、各方面からの寄贈などで少しずつ蔵書を増やし、1947年(昭和22年)10月には現在の福祉会館の場所へと移転、独立開館します。現在の岡町図書館の場所には1958年(昭和33年)に移転、一部開館し、改修を経て全面的に開館したのは1959年(昭和34年)1月でした。それから今まで、場所は変わっていません。10年後、木造から鉄筋構造の新館へと改修され(現在の建物のひとつ前のもの)当時、学生さんたちが夏休み等には列をなして入館を待ちました。

市役所内に創設された当初は館内閲覧のみでしたが、1949年(昭和24年)には個人貸出が始まります。翌1950年(昭和25年)に図書館法が施行されると、すぐに図書館条例を設置、同年5月には市立図書館としては全国初の移動図書館車(海軍が接収した箱型フォード車)の巡回をスタートさせます。北摂アーカイブスの検索窓で「うごく図書館」をキーワードにして検索してみてください。初期の頃のシボレー型をはじめとして歴代の移動図書館の姿が見られます。

戦時中の市役所の片隅で産声をあげ、人間ならば「古希」を迎えた豊中市立図書館。現在では市内に9つの図書館があり、全国的には各地で次々と廃止されつつある「動く図書館」も、まだまだ健在です。全蔵書冊数は110万冊を超え、図書館設立当時から約9倍に増えた39万人の市民が、年間330万冊も貸出利用をしています(いずれも2013年統計)。この3月からは、岡町・千里・野畑図書館に自動(セルフ)貸出機も設置され、ますます利用しやすくなりました。

誰もが気軽に利用できて、無料で、知りたいことを調べられる機能を持つ図書館は、私たち市民にとって、とても身近で大切な、かけがえのない存在です。今後も「知の広場」として、進化しつつ市民とともに歩んで欲しいと切に願います。

70周年 おめでとうございます。